
エージェント・興行事業|執行役員|2006年入社
T.Yさん

Q1.執行役員として現在担当している部門
エージェント・興行事業部門を担当しています。
エージェント事業部では、所属アーティストのマネジメントやレーベル、全国ツアーなどのコンサートの企画・制作・運営を手掛けています。また、素晴らしいアーティストが参加する「STAND UP! CLASSIC FESTIVAL」を自社でプロデュース。2024年からは演劇分野でもオリジナル公演の企画・制作を開始しました。
興行企画部では、新規オリジナル公演や音楽フェスの主催業務を担当。HIPHOPフェス「GO-AheadZ」など、イープラスのお客様や音楽トレンドをもとに注目ジャンルを企画制作しています。音楽フェスは「FUJI ROCK FESTIVAL」「VIVA LA ROCK」「TOKYO ISLAND」に参加しています。

Q2.エージェント興行事業の成り立ち
最初にエージェント事業部です。エージェント事業や興行の企画制作を手掛けるようになった背景には、ライブカフェ「eplus LIVING ROOM CAFE & DINING」と、クラシック野外フェス「STAND UP! CLASSIC FESTIVAL 2018」の経験があります。
ライブカフェではピアノを常設し、クラシック系アーティストの演奏機会も増加。そのチケッティングデータやライブの反応を通じて、新世代のピアニストの存在を知りました。なかにはYouTubeを活用したり、アニメやポピュラー音楽など親しみやすい楽曲を高い技術力で演奏し、新しいクラシックファンを生み出していました。この変化やムーブメントをデータとリアルの両面で認識したことが、クラシックの野外フェス開催につながり、業界の課題把握やアーティストとの関係性を築くきっかけとなりました。
次世代アーティストの中にはYouTubeを運営し、一定の実務を自己管理できる人もいました。しかし、さらにファンを増やしていくことを目的としたチケッティングやプロモーション、コンサートの企画・制作・運営といった業務にはサポートが必要でした。そこで、イープラスが「エージェント」という当時では新たな形で契約し、アーティストの活動を広げる支援を開始しました。
大変ありがたいことに、コロナ禍では配信サービス「Streaming+」の初トライアルを、素晴らしいアーティストのピアノコンサートで挑戦できました。また、ショパン国際ピアノコンクールで世界を舞台に活躍するアーティストに熱狂し、感動を共有できたことも忘れられません。近年では、ピアニスト単独での日本武道館公演が成功したり、所属アーティストの全国ツアーを実現するなど、貴重な経験を積むことができています。そして、2024年からは演劇分野にもチャレンジし、オリジナル公演の企画制作を開始しています。
次に興行企画部です。こちらもチケッティングから得られるデータとリアルな現場の熱量をもとに「新たな変化がある分野」に注目し、自社で興行を企画する部門を立ち上げました。HIPHOPフェス「GO-AheadZ」など、トレンドに基づくオリジナル公演を手掛けるほか、アーティストが活躍できるプラットフォームを創出し、市場を活性化することを目指しています。
一方で、「FUJI ROCK FESTIVAL」「VIVA LA ROCK」「TOKYO ISLAND」といったフェスに主催者として参加。お客様やアーティストの皆様に支持されるフェスの実現を目指しています。過去には電子チケットやフェスアプリの導入など、新たなサービスの開発・提供にも挑戦してきました。こうした取り組みを通じて、お客様に喜ばれるチケッティングやサービスの提供を進めるためにも、自ら興行を創り、主催者として関わる意義があると考えています。
プレイガイド事業とは異なる分野と見られがちですが、チケッティングの知見やシステムの構築・運用力は、興行の収益最大化と業務効率化に欠かせません。そう考えると、プレイガイド事業を基盤にエージェント・興行事業へ挑戦することは、必然の流れと言えるのかもしれません。

Q3.イープラスがエージェント興行事業を通じて今後目指すもの
イープラスは創業以来、ライブエンタテインメント業界に貢献したいという強い想いがあります。エージェント・興行事業視点では、実現したい3つの目標があります。
1. アーティストがクリエイティブな活動に集中できる環境を整える
アーティストが創作や演奏活動に専念できるよう、エージェントとしてビジネスのハブとなり、理想的なチケッティングやプロモーションを実現します。また、ライブなどの活動機会を創出し、興行からチケッティングまで一気通貫でマネジメントすることにより収益向上とファン拡大を支援。それにより、アーティストが長く活動できるようにするとともに、ブレイクするまでの時間を短縮することにも貢献したいと考えています。
2. アーティストや興行と一体化した世界標準のチケッティングの実現
世界標準のチケッティングとは、在庫管理、販売、入場、顧客データのすべてが一元化されることです。海外では、複数のプレイガイドでチケットを分配する「配券」という概念がなく、一元管理によって純度の高い情報が集約され、アーティストや興行の成功に直結しています。このデータは、適切なスポンサーとのマッチングにも活用でき、結果としてアーティストや興行に還元されます。
また、収益を確保し、業界全体の業務効率化を実現するためには、興行の企画・制作からチケット販売管理、入場までを一気通貫でマネジメントできるシンプルな構造が必要です。イープラスは、自社で創る興行でシンプルでお客様にもわかりやすい構造を追求し、業界に理想的なモデルを提示していきたいと考えています。
3. 世界での活動をサポート
世界を舞台に活躍するアーティストが増え、アーティスト活動や興行ビジネスもグローバルな視点が求められる時代になりました。所属アーティストや、チケッティングで関わるアーティストが海外で活躍する姿を間近で見るたびに、日本のエンタメが広がる可能性に大きな期待を感じています。しかし同時に、海外での活動を十分にサポートできていない現状に危機感もあります。まだまだ力不足ではありますが、挑戦を重ねながらパートナー企業との連携を強化し、国際的な展開を支援できる体制を整えていきたいと考えています。
エージェント興行事業は、そのように人の心を動かし感動を生み出すような特別な体験を提供できる、とても幸せな事業だと感じています。アーティストの皆様に「イープラスと共に挑戦したい」と思っていただき、お客様にも支持されるような価値ある事業を目指し、これからも成長を続けていきます。
